生理の1〜2週間前から始まる不調——イライラ、むくみ、甘いものへの衝動、理由のない涙。PMS(月経前症候群)に悩む女性は非常に多く、日本では約70〜80%が何らかの症状を感じていると言われています。
アーユルヴェーダでは、PMSは「ヴァータの乱れ」が引き金と考えます。生理前は体内で下向きに動くエネルギー(アパーナ・ヴァータ)が活発になる時期。このヴァータの動きが乱れると、その人の弱いドーシャが一緒に乱れて、さまざまな症状が現れます。
体質別・PMSの症状パターン
ヴァータ優勢のPMS
- 不安・心配・そわそわする
- 眠れない・寝ても疲れが取れない
- 腰痛・下腹部の張り
- 便秘・お腹のガス
- 集中力の低下・忘れっぽくなる
- 感情が不安定(急に泣きたくなる)
ピッタ優勢のPMS
- イライラ・怒りっぽさ・攻撃的になる
- 肌荒れ・ニキビ・吹き出物
- 頭痛・偏頭痛
- 体のほてり・汗をかきやすい
- 食欲が異常に増す
- 下痢傾向
カパ優勢のPMS
- むくみ(顔・手足)
- 体が重い・だるい
- 眠気が取れない・過眠
- 甘いものへの強い衝動
- 胸の張り・痛み
- 感情の停滞(何もやる気が起きない)
PMS期間の食事ケア
全タイプ共通
- 温かくて消化しやすい食事を基本に
- 白湯をこまめに飲む
- カフェイン・アルコール・加工食品を減らす
- 食事の時間を規則正しく(空腹の時間が長いとヴァータが乱れる)
ヴァータ優勢の方
温かい煮込み料理・キチャリ・スープ。ギーとごま油をたっぷり。しょうが・シナモン・カルダモン。おやつはデーツやアーモンド(温めて)。冷たいもの・乾燥したもの・カフェインは避ける。
ピッタ優勢の方
冷却性の食事。ココナッツ・葉物野菜・きゅうり・ギー。スパイスはコリアンダー・フェンネル・ミント。甘い果物(ぶどう・メロン・桃)でピッタを鎮める。辛いもの・揚げ物・酸味の強いものは控える。
カパ優勢の方
軽くてスパイシーな食事。温かいスープ・蒸し野菜・大麦。しょうが・黒胡椒・ターメリック。はちみつ入り白湯。甘いもの・乳製品・重い食事・小麦粉製品は控える。
PMSを緩和するセルフケア
全タイプ共通
- ごま油のアビヤンガ:生理前の1週間、毎晩でも行いたいケア。全身をオイルで包むことで神経が落ち着き、ホルモンバランスが安定する
- 規則正しい生活リズム:起床・食事・就寝の時間を一定にすることで、ヴァータの乱れを最小限に
- 軽い運動:ウォーキング・ゆっくりヨガ・ストレッチ。激しい運動は控える
ヴァータ優勢の方のケア
- 足湯(しょうが入りのお湯で15分)
- ナーディ・ショーダナ(片鼻呼吸法)で自律神経を整える
- 温かいミルク(牛乳or豆乳)にナツメグとギーを入れて就寝前に
- 寝室を暗く・静かに・暖かく
ピッタ優勢の方のケア
- ココナッツオイルで頭皮マッサージ
- ローズウォーターを額にスプレー
- シータリー呼吸法(体の熱を冷ます呼吸法)
- 月光浴(夜の散歩でピッタを鎮める)
カパ優勢の方のケア
- ガルシャナ(ドライブラッシング)で停滞を動かす
- カパルバティ呼吸法で胸のつまりを解消
- 朝のしょうが湯にはちみつを加えて
- 早起き+朝の運動(カパの時間帯に寝ていない)
PMSに効果的なスパイス&ハーブ
- シャタバリ:女性のためのハーブ。ホルモンバランスを整え、PMSの全症状に効果的
- アシュワガンダ:ストレスを緩和し、ヴァータを安定させる
- ターメリック:抗炎症作用。温かいミルクに入れて飲む
- フェンネル:お腹の張りやガスを和らげる。食後に種を噛む
- カモミール:神経を穏やかにし、眠りを助ける
※ハーブサプリメントを使用する場合は、専門家に相談の上で。
PMSは「あなたのせい」ではない
PMSの症状がひどいとき、「自分のメンタルが弱いから」「我慢が足りないから」と自分を責めていませんか?
アーユルヴェーダの視点では、PMSは体のバランスが崩れているだけ。あなたの性格や精神力の問題ではありません。
生理前の1週間を「特別な養生期間」として、自分に少しだけ優しくする。食事を整え、オイルで体を包み、早く寝る。それだけで、来月の生理前は今月より少し楽になるはずです。
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よくある質問
Q. PMSと生理痛は別物ですか?
はい。PMSは生理「前」の症状、生理痛は生理「中」の症状です。ただしアーユルヴェーダでは、どちらもヴァータの乱れが根本原因であることが多く、同じケアが両方に効果を発揮します。
Q. PMSがひどいのは体質が悪いからですか?
いいえ。どの体質でもPMSは起こり得ます。大切なのは自分の体質パターンに合ったケアをすること。自分のドーシャを知ることが、PMS改善の第一歩です。

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